日本泳法

むかいりゅうとうきょううえのもんかれんらくかい

向井流東京上野門下連絡会

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‘向井流東京上野門下連絡会’の目的と方針

 第65回日本泳法研究会・課題「向井流」の中では、上野徳太郎門下(向井流東京連絡会:東京、以下‘上野門下’と略す)の泳法と岩本忠次郎門下(向井流水法会:北海道、以下‘岩本門下’と略す)の泳法について、改めて文字と実技で披露しました。このことは、向井流の泳法における上野門下と岩本門下の団体間にあるそれぞれの特色と違いを明確に示したことであり、日本泳法に関わる方々にその伝承の差異を認知して頂くものでありました。なお、同研究会では、山敷徳次郎門下(山敷会:東京)の泳法も実技披露されました。

 日本泳法の世界以外から見れば、上野門下と岩本門下の泳法について、何故ここまで頑なに伝承に拘り、認知を得ることに意義を求めるのかと問われることかも知れません。しかし私達のように上野徳太郎から向井流の師事を受けた者にとって、師による向井流泳法の伝承は、単なる向井流泳法の継承だけではなく、向井流というものが経てきた長い歴史を遡って手繰り寄せることであり、その全体像を知る上での手段と考えています。また、同時に、時代を経ても色あせない本質を捉えることであり、この伝承を人から人へと受け渡して行くための方法にも通じるものと考えています。

 当然のことながら、伝承の世界にあっては、時の流れ、社会事情や環境の変化、人的な解釈や創意工夫など、さまざまな要因が変化を与えてきたことは否めません。この前提を受け止めながら伝承を継承するためには、師の想いを尊ぶとともに、現時点での上野門下の伝承を明確にし、そこに検証や解釈を実施することで、今後向井流を学ぶ人々に混乱を招かない見識を伝えていくことができると考えています。

 研究会終了後に、‘向井流東京連絡会’の名称から‘向井流東京上野門下連絡会’に名称を改める旨の準備を進め、立ち上げへと至りました。その目的は、明らかに「上野門下」であることを強調するとともに師の伝承を確実に伝えていく団体としての結束を高め、決意を表すためです。また、師の伝承を着実に伝えるための手段として当書『向井流東京上野門下連絡会指導教本』を作成いたしました。上野門下の連絡会では、その伝承者の育成や研鑽に欠かせない泳ぎ合わせ稽古や勉強会を定期的に実施していきます。さらに、日本泳法の競技会において‘向井流東京上野門下連絡会’の名称で団体出場することも方針に入れています。


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